口腔外科とは歯科の中の一つの専門分野で、口腔外科はその名の通り「口腔周囲の外科」となるため、埋伏智歯の抜歯(歯肉の中に入り込んでいる親知らずの抜歯)や難症例の抜歯(動脈や神経に近いところなど)だけでなく、良性・悪性の口腔粘膜や顎骨の病変(範囲は頚部郭清など広範囲)、口唇口蓋裂、上顎洞炎、顎骨周囲の骨折など、口腔内にとどまらず、顎顔面、頚部付近にも及ぶほど広範囲の治療手術となります。
口内炎とは、口腔内や口唇、舌の粘膜に炎症が生じ、水疱やびらん(ただれ)、潰瘍、白苔(はくたい)などの粘膜病変を生じるものを指します。口内炎が出来る原因には、虫歯やサイズの合っていない義歯による粘膜への刺激、細菌・ウイルス・真菌などの感染、自己免疫疾患、全身性皮膚疾患によるものなど、さまざまな原因があります。
また、栄養素の中でも、口の中などの粘膜に大きく関係している栄養素がビタミンB群です。特に、ビタミンB2、ビタミンB6が不足すると口内炎ができやすくなるといわれています。
痛みの有無や粘膜に生じる病変のタイプは発症原因によって大きく異なり、数日で治る軽度なものから重篤な全身性疾患に起因するものまで多岐にわたります。なかには、なかなか治らない口内炎で病院を受診し、他の病気が発見されるケースもあるため、長引く口内炎には重篤な病気が隠れている可能性もあります。
◼︎ 免疫力の低下
睡眠不足やストレスなどで免疫力が低下すると、口内炎ができてしまうことがあります。
◼︎ 口のなかの衛生環境が悪い
歯磨きが不十分、入れ歯や矯正器具などが原因で口のなかの衛生環境が悪化すると、口内炎ができやすくなります。
口内炎の治療法には、多くは特別な治療を行わなくても自然に治ります。が、原因により治療法が異なります。虫歯やサイズの合っていない義歯による粘膜への刺激が原因の場合は、原因の虫歯や義歯、被せ物などの補綴物の治療を行い機械的刺激の除去行います。
細菌感染性の強い痛みがあったり、口内炎がなかなか改善しなかったりする場合には、抗ウイルス薬や抗菌薬、抗真菌薬などを使用した治療が行われます。また、自己免疫疾患が原因となる場合、自己免疫疾患の治療が優先して行われます。病状に合わせて、ステロイド剤や免疫抑制剤、分子標的治療薬などが使用されます。薬が原因である場合には、薬の使用中止が検討されます。
しかし、薬を中止できない場合や中止しても口内炎が改善しない場合には、症状の悪化を抑えるためにうがい薬で口腔内の清潔を保ったり、細菌感染を予防するために抗菌薬の内服が行われたりすることもあります。